◆米大リーグ　エンゼルス３－２レンジャーズ（３日・アナハイム＝エンゼル ス・スタジアム） 　エンゼルスの大谷翔平投手（２７）が３日（日本時間４日）、本拠のレンジャーズ戦に「２番・投手」で出場し、７回を７安打２失点に抑え、日本人最多タイの８連勝で９勝目。渡米後最多の１１７球を投げ、最後も１６０キロの直球で抑え込み、メジャーでは１９１８年ベーブ・ルース以来の「２ケタ本塁打＆２ケタ勝利」に王手をかけた。 　１点リードの７回２死一、二塁。３年前の自己最多投球１１０球を超えていた大谷は、カイナーファレファの２球目から９９・１マイル、９９・５マイル、９９・４マイルと３球連続の快速球で一塁ゴロに打ち取った。ベースカバーに入って送球を受けた左手のグラブを高々と掲げて喜びを表した。「代えられてもおかしくないと思っただけに、（続投の）期待に応えたいと思って投げた」と振り返った。 　８月２８日のパドレス戦でスイングの際に右手首付近に投球を当てた影響で登板が３日延びた。「押せば痛い」という状態のマウンド。１回には打球が右手と右肩に当たるアクシデントでトレーナーが駆け寄る事態となったが、問題なく続投した。 　２回、８番打者に２ランを浴びて追いつかれてからエンジンがかかった。４回１死二、三塁では、公式戦では今季初登板（４月４日Ｗソックス戦）以来となる１００マイル（約１６０・９キロ）超えで空振り三振、一塁ゴロで勝ち越しを許さなかった。 　日本人勝利３傑の野茂英雄（１２３勝）、黒田博樹（７９勝）、ダルビッシュ有、田中将大（ともに７８勝）もマークしていないシーズン８連勝となって９勝目。１９１８年、あのベーブ・ルースしかマークしていない「２ケタ勝利＆２ケタ本塁打」に王手をかけた。 数字も大事　投手として勝ち星よりも「防御率とかＷＨＩＰ（１イニングあたりの被安打＋与四球）の方が投手のスキルをはかる意味では大事」と話したが、「でも（２ケタ勝利という）数字も大事なのかな」とかみしめた。 　２０１４年に初めて日本ハムで「１０勝＆１０本塁打」を達成したときは本塁打で決めたが、当時２０歳の大谷は「個人的には（記録は）気にしていない。他の打席でも打てるところがあったし、まだミスショットが多い」と淡々としていた。今度は正真正銘のメジャーでの快挙。どんなコメントを出すのか注目される。 ◆日本人投手の最多連勝記録 　ヤンキース時代の伊良部秀輝投手が１９９９年に、Ｒソックス時代の松坂大輔投手が２００８年に記録したシーズン８連勝で、大谷翔平投手が３人目。前記２人はポストシーズンに進出した強力チームだった。８連勝に要した試合数は松坂１０試合、伊良部１２試合、大谷は１３試合で最も多い。